- 2003-04-20 (日) 22:16
- 書籍
オススメ度★★★★
著 者■原田宗典
定 価■420円
発行日■1994/06/25
発行所■集英社
ISBN4-08-748172-7
原田宗典のエッセイから漂う脱力感は会社帰りの電車で読むには最高だと思う。このエッセイは、A~Zで始まる単語をキーワードにして原田氏の困惑をつづったものだ。彼のトホホぶりはこのエッセイにおいてもあいかわらずなのだが、特に文具ファンとしては「U」の「それは秘密ですなのだ」がかなりオススメだ。あの「スパイ手帳」にまつわるお話である。今の子供達にとって文具ってどういう位置づけにあるのか最近どんどんわからなくなって来つつあるが、僕が子供だった頃は、文房具は少年の生活の中で、たしかにある重要なツールの一つであり、今よりも少しは確かな地位を持っていたような気がする。僕はまだハラダ少年と自分の過去に少し重なる部分があって、こんな文章を読むと、自分が文具にどっぷり浸かってきてしまったその入り口付近の記憶がなんとなく思い出されて思わず苦笑してしまうのである。
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