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INTERNAL THEATER

  • 2005-01-18 (火) 0:00
  • 日記

いま真保裕一という作家のホワイトアウトという小説を読んでいる。
しばらく前に織田裕二主演の映画になったヤツだ。映画の方は見てないのだが、
たまたま友人2人が勧めるので読み始めてハマッている。
映画を作るのに莫大な金がかかることを考えると、映画の原作というのは
それなりに力がある可能性は高いと思う。
この作品は細かな描写が丁寧で、説得力があるので、入り込みやすかった。
不思議なもので、
過去何回か映画と原作の小説両方を鑑賞したパターンにおいては
私はすべて小説の方が心に残っている。
そこで思ったのだが、単純にデジタルデータに置き換えた場合、
DVDの映画が圧縮した状態で5ギガバイト近くあるのに対し、
小説版は非圧縮で計算しても
2バイト×720文字×628頁=904320バイト=900キロバイト弱である。
情報量ではじつに5000倍以上の差になる。
(圧縮を計算するともう一桁は違うはずだ。)
値段で比較しても映画が1800円に対し、小説781円。2倍以上だ。
にもかかわらず、受け取る情報量は必ずしも映画の方が多いとは限らず、
むしろ小説の方が多いように感じるとはどういう事だ。
もちろん小説の場合、テキストデータを補完してイメージを形成するのは
自分の脳に有る過去の情報だ。そのうえでなおかつ小説の方が多くの
イメージを我々に与えるとすると、この圧縮技術はMPEGなど足元にも及ばない
高圧縮技術だ。やはり言語の力は大きい。しかし、ということはおそらく
補完情報を豊富に持つ読者とそうでない場合とでは再構成されるイメージの
クオリティーにかなりの差が生じることも大いに予想される。これまた
映画の比ではなくなってしまうだろう。
私の持つシアターの画面はいったいどのくらいクリアにフィルムを映し出して
いるのだろうか、

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文具王 高畑正幸
高畑正幸
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