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2003-04

ペンデュラム

pendulum_1.jpg
販売元 PAPER MATE
価 格 500円
品 番 不明
購 入 ロフト 渋谷
万年筆は寝かせて書くのが基本。製図関係の筆記具は垂直に立てて書くのが基本。ボールペンは・・・理論的には立てて書いた方がいいはずである。ボールペンはあまり寝かせると、ボールを支えているワクの部分が紙に擦れてしまい、ボールの脱落等の原因になってしまう。ボールがきれいに回転するためには、紙面に対して垂直に近い方がいいはずだ。しかし、玉の上に乗っかってるもんだから垂直に立てるのも難しい。そんな問題をデザインと構造で解決しようというのがこのボールペン。
写真を見て欲しい。
pendulum_2.jpg
ペン先がバクの鼻のように下を向いている。ペン先を曲げることで紙面に垂直にしようというのだ。さらにだ。このペン先はただ曲がっているだけではない。常に下を向くようになっているのだ。クビの部分が回転するようになっていて、内部の芯にもおもりがついていて下を向くようになっている。なるほど。ペンデュラムとは、「振り子」の意味である。
書いてみるとどうなのか?筆圧が強い私は、自分の筆圧がまっすぐ紙に伝わる感じがするのは悪くないと思うが、やはり軸の延長上でないところにペン先があるのはなんともいえない不安感がともない、うまく操れない気がする。価格も最近の筆記の中では500円はちょっと高い。アイデアは面白いんだけどな~~。おしいなぁ。って感じである。
ただ、インクの質以外のところで勝負してきたこの筆記具の挑戦を文具ファンとしては素直に悦びたい気もする。

日常ええかい話

book_08.jpg
オススメ度★★★★
著 者■原田宗典
定 価■420円
発行日■1994/06/25
発行所■集英社
ISBN4-08-748172-7
原田宗典のエッセイから漂う脱力感は会社帰りの電車で読むには最高だと思う。このエッセイは、A~Zで始まる単語をキーワードにして原田氏の困惑をつづったものだ。彼のトホホぶりはこのエッセイにおいてもあいかわらずなのだが、特に文具ファンとしては「U」の「それは秘密ですなのだ」がかなりオススメだ。あの「スパイ手帳」にまつわるお話である。今の子供達にとって文具ってどういう位置づけにあるのか最近どんどんわからなくなって来つつあるが、僕が子供だった頃は、文房具は少年の生活の中で、たしかにある重要なツールの一つであり、今よりも少しは確かな地位を持っていたような気がする。僕はまだハラダ少年と自分の過去に少し重なる部分があって、こんな文章を読むと、自分が文具にどっぷり浸かってきてしまったその入り口付近の記憶がなんとなく思い出されて思わず苦笑してしまうのである。

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文具王 高畑正幸
高畑正幸
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