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数学的にありえない

4163253106.01._AA240_SCLZZZZZZZ_.jpg書 名 数学的にありえない
推薦度 ☆☆☆☆☆
著 者 アダムファウアー
訳 者 矢口誠
定 価 2200円(税込)上・下
発行日 2006/08
発行所 文藝春秋
ISBN4-06-202071-8
数学的にありえない(上)
数学的にありえない(下)

どんな本?って聞かれて、すごくおおざっぱに答えると理系ネタのダ・ヴィンチ・コード・・とでもいおうか、
ダ・ヴィンチ・コードが、宗教・芸術・暗号、などの雑学てんこ盛りだったのに対し、この話は、統計学・物理学・医学の雑学満載のサスペンスだ。統計や量子力学などが持つトリッキーな部分を普通の人にも取っつきやすく解説しつつ「ありえない」ストーリーを展開していく。正直、若干の無理は感じるが、知的な仕掛けの好きな人にとっては、かなり楽しめる話だと思う。上下巻は重いが、スピード感があるので、一気に読める!
☆ちっちゃいことだが、
邦題は「数学的にありえない」だが、原題は「improbable」で、「起こりそうもない」という意味。probabilityが、確率だから、「確率的に起こりそうもない」ということであって、ストーリーの中でも、一見improbableと思われるようなことが、じつはprobableだったりすることが重要な意味を持つ。「数学的に」ありえないことのはなしではないので、ちょっとこの邦題は誤解を招くと思う。 ま、こっちの方が興味をそそるタイトルだけどね。

おとなのおりがみ

463549003.jpg書 名 おとなのおりがみ
推薦度 ☆☆☆
著 者 アル中Masa
定 価 1000円(税抜)
発行日 2006/11
発行所 山と渓谷社
Amazonならここで買えます
ISBN

お札を使った折り紙の本。お札をただ使うのではなく、お札に印刷されている模様を利用し、かつ、作品名がダジャレになっているというところまでできているところがエライ。
ものすごくテキトーにユルい説明図なので、折り紙の心得のない人にとっては、少し難しいものが多いように思う。お札の紙質もあってきれいに折るのはかなり難しい。
しかも、基本的には新札から折らないと、折り目がわかんなくなったりするので注意が必要だ。せっかく披露しようと思ったときに新札がないことは多い。(かといって、財布の中の札が新札のやつって、なんかうさんくさいので、折角のネタが逆効果になる可能性がある。)
自宅でしっかり練習しておいて、たまたま手持ちぶさたなときにこともなげに折って見せなくてはならない。周囲の人間が待ってくれるのは、長くても1分。それ以上かかったら、「勝手にやってろ」って感じで会話の外に追い出される。しかも、相手が見たことがあったら効果は半減。この本、すでにかなり有名になっているようなので、出しどころには注意したい。こういうネタは、今はあえて封印しておいて、5年後ぐらいに折るのが良いかもしれない。そのときにお札の柄が変わってなければの話だが・・・

変体少女文字の研究

書 名 変体少女文字の研究
推薦度 ☆☆
著 者 山根一眞
定 価 1000円(税抜)
発行日 1986/02/05
発行所 講談社
ハードカバー(中古)
文庫(中古)
ISBN4-06-202071-8
「変態」ではない。「変体」。
山根一眞氏の代表作のひとつ。改めて読み直した。
当時、マンガ文字などと呼ばれた丸文字は、日本語の横書き用の文字として道具・文化・教育、すべてが絡み合って女性によって必然的に生み出されたものだという研究論文。
文具と文具を取り巻く環境が、文字の形態や文章の変化において、重要な役割を担ってきたということも、山根氏独特の調査、分析によって明らかにされていく。たいていの文具論は、オトナの個人的コダワリ的なところで話が終わっていて、文具と文化について、きちんと考察されている研究って、本当に少ないんじゃないかと思う。特に、道具としての文房具の変化が、人々に与えた影響をここまで広範囲に調査し、考察したものは、とても貴重だ。
この研究は、20年も前のものだが、オトナが「不真面目な学生のくだらない流行」として理解しようとしない出来事の中に、文化にとって本質的なの変化を示す兆候が含まれている可能性を丹念に考察することの重要性は、今も変わらない。(この時はファンシー紙製品やシャープペンシルが、重要な役割を果たしたが、今、新しいデバイスとして登場したケータイメールやブログなどが文章に影響を与えているのは間違いないと思う。)
私は人の思考を表現するだけでなく思考にまで影響を及ぼす入出力デバイスとしての文房具と人との本質的な関わりに興味がある。その興味に対する考察の方法の一つとして、とても参考になる重要な論文。
☆が少ないのは、誰にでもお勧めはしないということ。ある種の興味がない人にとっては「どうでもいいことに対するめんどくさい考察」かもしれないが、興味がある人にとっては、20年経った今でも必須の資料である。

ピタゴラ装置 DVDブック①

B000HOL7HY.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V40658308_.jpg書 名 ピタゴラ装置 DVDブック①
推薦度 ☆☆☆☆☆
著 者 ピタゴラ装置制作チーム ?
定 価 2800円(税抜)
発行日 2006/12/20
発行所 小学館
amazonならここで買えます
ISBN4-09-480311-4
待ってました!やっとでました!ピタゴラDVD
じつは、ピタゴラ装置を切り出すために、ピタゴラスイッチをかなり録画してるんですが、手間がかかって仕方がないので、結局、積み上がるばかり。こういう風にして美味しいところだけを見たかったんです!!なんか、カニ鍋の足に詰まっている身をチマチマと掘り出しているところに、ほぐした実がどっさり乗ったどんぶりが出てきた感じです。
しかし、欲張りな私としては、装置No.が全部揃ってないのがくやしい!!是非これはコンプリートしたいものです。誰かそんなのをほんとにやってる暇なヤツいないかなあ・・ きっとネットのどこかにはいるんだろうなあ・・

ボールペンとえんぴつのこと

20061119230621s.jpg書 名 ボールペンとえんぴつのこと
推薦度 ☆☆☆☆
著 者 宇井野 京子
定 価 1500円(税抜)
発行日 2006/11/01
発行所 気楽舎
アマゾンではここで買えます
ISBN4-907818083-1

銀座の路地にある小さなボールペンと鉛筆の店「五十音」。その店のオーナー、宇井野さんが語るボールペンとえんぴつのこと。
機能や歴史、効率的な使いこなしのHOW-TOなんかについてはなーんにも書かれていない。かといってブランドがどうのっていう話でもない。
彼女は、ただボールペンや鉛筆が好きのようだ。普通、文房具が好きで、お店を出すくらいなら、もっと色々細かいところに詳しいんじゃないかと思うが、そんなことにはお構いなしの宇井野さんのお話を聞くと、私は記憶の深い部分に沈んでいく感じだ。
文房具は面白い。私のように「道具」としての在り方を考えるものがいれば、「イロモノ」にエンターテイメントを見いだす人もいる。人によってファッションアイテムであったり、自己啓発ツールであったり、楽しみ方の幅がものすごく広いのも、文房具というものの奥の深さだと私は思う。大人になって文房具好きを自称する人を何人も知っているが、私も含むそれらの人の記憶をたどると、どこかにきっと、彼女と同じような経験や感情があったのではないだろうかと思う。
情報過多な流れの中で、抗うでも流されるでもなく、飄々と子供の頃からの「好き」という思いを何でもないように見せてくれる宇井野さんとそのお店「五十音」は、文房具ファンにとってもなんだかほっとする部分だったりするのかもしれません。
あ、そういう訳なので、文具の本だと思って買うとがっかりするかもしれません。ご注意を(笑)

養老孟司のデジタル昆虫図鑑

書 名 養老孟のデジタル昆虫図鑑
推薦度 ☆☆☆
著 者 養老孟司
定 価 1200円(税抜)
発行日 2006/07/10
発行所 日経BP社
Amazonならここで買えます
ISBN4-8222-4527-6
情報機器の使いこなし等では有名な山根一眞氏が、DIMEの連載で紹介していたスキャナを使った昆虫など立体物の撮影法を、養老孟司氏に紹介したことから始まるスキャンによる昆虫図鑑作成。と言ってもこの本は、図鑑というよりはやはりエッセイ。全体的には、昆虫そのものの話にはそれほど興味のない自分だが、科学と博物学に関する彼の思想がわかりやすく書かれているところは、やはり養老孟司の本だ。
スキャナは解像度が恐ろしく高く、被写界深度が深いので、数ミリから数センチ程度の小さな昆虫を、家庭用スキャナでスキャンして拡大すると、ポスターサイズでも見劣りしないほどの高精細な画像が簡単にとれる。もともとエプソンの広告として連載されていた部分が大半を占めているため、エプソン自慢の複合機によるスキャンからはじまり、プリントから、巨大ポスターサイズのプリント、プロジェクターによる投影、ビューワーでの保存と移動など、エプソンの技術自慢なところもあるが、身近にある超ハイテクツールを、どうやって使うか、というところで、単に写真や雑誌のような平面のモノをスキャンするのではなく、道具の本質として新たな使い方を提案しているあたりは、画期的な広告だと思う。
将来的にはこの技法で本当の昆虫図鑑ができても不思議ではないと思う。
願わくば、そのスキャンしたデータがCD-R等で添付されてたりすれば最高なのだが・・その点については、書籍という古いメディアの枠に収まってしまっているところが、残念かもしれない。ま、HOW-TO本ではないから、それはそれでいいのかな。
読み物としても写真集としても少し中途半端で物足りない感は否定できないが、フルカラーのわりに安いので、ま、よしとしよう。

デス・ノート

DEATH NOTE.jpgいまさら、かもしれないが、デス・ノートを読み始めた。映画のおかげでどこの本屋にもあるが、欲しい巻が売り切れてたりしてぼちぼち進行中。
死神が持つという名前を書くだけで書かれた人が死んじゃう「死のノート」を手に入れてしまって、世界の神になろうとする天才青年の話。
映画は見ていないのでそっちはわからないが、最初から漫画と割り切るとなかなかおもしろい。目つきの怖い天才少年がなんぼでも出てくるのもすごいのだが、このノート、後からわかる「使用上の注意」ってか、ルールがいろいろあって、やられたら死ぬパズルゲームみたいな感じ。
見てからプロットがどうのとか言うのは簡単だが、こういうおもしろい設定を考えてちゃんと作品にしている原作者エライ!と私は思うのです。
どうでもいいことだが、英語なら、「DEATH・NOTE」ではなく「DEATH・NOTEBOOK」だ。NOTEだけだと、覚え書き、とかの意味で、帳面にはならない。なんか、名前からして日本的だ。ノートのサイズも、見る限りでは日本人に使いやすいB5、罫線もわりと細いからA罫かB罫だろう。ページは無くならないと書かれているが、わりと薄い、30枚ぐらいのかがり綴じ製本だ。これ、アメリカ人が思いついてたら「デス・リーガルパッド」とかになってたんだろうか?と、どうでもいいことばかり考えてしまう。

文九郎が!

060620_124549s.jpg書 名 文具天国【黒田の逆襲】
推薦度 ☆☆☆☆
著 者 そにしけんじ
定 価 486円(税抜)
発行日 2006/06/25
発行所 小学館
ISBN4-09-140160-0
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060620_124300s.jpg
意外におもしろい文房具ギャグマンガ 文具天国 の第2巻。
読むまで知らなかったのだが、なんと文九郎(2代目)も登場している!!
勝手にうれしいので紹介です!

ダヴィンチの謎を追え!

davinch2.jpg書 名 レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した宝物
推薦度 ☆☆☆☆☆
著 者 マシュー・ランドルズ
訳 者 春宮真理子
定 価 5040円(税込)
発行日 2006/05/027
発行所 トランスワールドジャパン
購入店 アシストオン
ISBN4-925112-70-8
アマゾンならここで買えます

ダヴィンチの謎に迫るならこれだ!
飛び出す絵本にも似ているが、これは飛び出すのではなく、レプリカ本。至る所にあるポケットには30点にも及ぶダヴィンチの遺した手稿や書簡などのレプリカ(印刷物だが、裏移りした紙の裏面やシミまで再現している。)が差し込まれている。普通のページでなく取り出してさわれるワクワク感がたくさん詰まっている! たのしー! このクオリティーならこの価格も納得。っていうか安いんじゃないの?
近いうちに付録のレプリカの写真載っけます~。
あ、「ダヴィンチコード」とは全然関係ありませんので、悪しからず。

最強の文具ヒーロー参上!

20060423180904s.jpg書 名 まかせて!文具仮面 1巻
推薦度 ☆☆☆☆☆
著 者 藤村阿智
定 価 300円
発行日 2006/02/19(初版)
発行所 藤村阿智手作り(インクジェット印刷32頁)
https://www.melp.nu/
https://www.blackstrawberry.net/

このページでもいくつか文具漫画を紹介してきたが、私的にはイチオシだ!
困ったことがおこると、どこからともなく現れ、ステキな文具や、便利な使い方を教えてくれる。文具仮面!ありがたがられているのかどうなのか、なんだか唐突なヒーロー、文具仮面・・・うーん、なんか他人事とは思えない設定。耳が開いてクリップやテープが出てきたり、体中に文房具が隠されている所などどことなく文九郎にも似たギミックを持っているところもみのがせないぞ!
鋏が得意な女文具仮面「シェーレ」や、子供相手に大人気なく万年筆を勧める「文具紳士」なども登場する短編集31ページ。文具を擬人化した漫画は多いが、正体を隠し、文具を真正面から勧めるヒーローはあまりいない。登場は派手だが救い方は地味な文具仮面!すごいぞ文具仮面!(ほんとにほめてんのか?!)
このコメントを読んでも全く意味不明だと思うが、興味を持った方はぜひ!リンクのページをたどってくれたまえ!(送料の方が高いかもしれないが取り寄せて読もう! でも手作りだから到着までは気長に待ってあげてね!)
文具仮面がいつか出版社からメジャーデビューすることを文具王も心から応援しているぞ!
みんな!応援してやってくれ!

文具王 高畑正幸
高畑正幸
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