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サンダーバード(後編)

  • 2004-08-16 (月) 0:00
  • 日記

2時間半待ってやっとのサンダーバードだが、この映画、オープニングの映像が楽しい!!あえてイラスト風のアニメーションを使い、マットでビビットな色遣いがすんごくいいのだ。これだけでももう一回見たい。
今回のストーリーはオリジナルのTVシリーズに比べてずいぶん子供っぽい内容だがこれはイギリス映画とアメリカ映画の違いだろうか、ストーリーもかなり楽観的だ。
メカについては、公開前から販売されているオモチャなどを見るとカッコ悪いんじゃないの?と思っていたが、意外にそうでもなく見れた。残念なのは2号のコンテナギミックが無くなったことと、ペネロープのピンクの6輪自動車がロールスロイスではなくフォードという設定だ。いかにユニバーサルスタジオであろうとやっぱり英国ひいきのパーカーが駆るのが米車というのは納得行かない!ジェームズボンドだってアストンマーチン・ロータス・ジャガーに乗るのだ。
ハイテク技術によってきれいにリメイクされた映画を見るに付け、今から40年も前に制作されたオリジナルの先見性のすばらしさに感嘆せずにはいられない。今回の映画は、映像こそきれいになっているが、基本的な考え方は40年前のオリジナルからまったく変わっていない。(というか越えていない)現在の映画として普通になじんでいるのがすごい。
そもそもオリジナルはイギリスのTVシリーズの人形劇。1964~66年の作品だ。(つい最近NHKで再放送されていた)21世紀の未来の世界を描いたSFだが、このおはなしのすごいところは数え上げればきりがない。
なんといっても目立つのはそのメカだが、明確な役割を持った機体に込められた思想は40年前としては最先端である。
災害現場へいち早く到着し、現場の情報収集と指揮をおこなうロケットタイプの1号。音速の20倍(だったと思う)もの速度で飛行するためにロケット型で、速度に応じて角度が変わる可変翼をもち、垂直離着陸も可能。発射時と巡航時で機体が90度向きを変えるのでそれに合わせてコクピットが回転する所などは妙にリアルでたまらない。ちなみにロケット型で窓がないので、コクピットでは画面で操縦するのだ!!
最も人気の高い2号は巨大なメロンパンのようなずんぐりとした機体の輸送機で、(大の字になって寝ころんだガチャピンに似ていると私は思う。)災害現場へ救助用装備を輸送する。胴体の中央部がコンテナ状になっており、災害の種類に合わせて最適な装備を搭載したコンテナをセットして発進するというアイデアが素晴らしい!ずんぐりとしたボディーも当時先端だったリフティングボディーという機体全体で揚力を発生するという形状、しかも翼が前にせり出す前進翼も当時最先端の航空理論によるものである。
3号は宇宙ロケット。4号は水中作業艇。そして5号は宇宙ステーションである。彼らは当時まだ実用化されていなかった宇宙ステーションを持ち、世界中を常に監視、SOS情報をいち早く基地に知らせる。ほかにも秘密基地の格納庫からの発進シークエンスがあまりにカッコよく、その後のSF映像に影響を与えたのはまちがいない。
しかし、私がもっとすごいと思うのは、国際救助隊がどこの国にも団体にも属さない独立組織である点や、発生する災害の多くがハイテク技術を過信する人間が起こす人災やテロ行為などで、既に原子力の暴走や自動操縦の盲点を突かれた破綻などがテーマとなっている点など、ある意味予言に近いものすらある。
SFが実際の世界を促すというのは珍しいことではなく、ロケットの基礎を築いたゴダードもツィオルコフスキーもジュール・ヴェルヌの「地球から月へ」を読んでロケットを作ったし、手塚治虫の「鉄腕アトム」がなければホンダのアシモも無かったはずだ。
イギリスのテレビドラマは凝りすぎのものが多いが、中でもやっぱりサンダーバードの妥協のない質の高さは、その後のSFのみならず現実の技術開発にまで影響を与えた名作といってまちがいない。
まあそんなことを思い出しつつ感慨深いサンダーバードを楽しんできたのであった。
ところで、じつはサンダーバードのメカアイコン(Mac用)をずいぶん昔に作ったことがあって、ベクターのサイト(下のリンク)か、このホームページからダウンロードできます。4階ギャラリーの作品のコーナーに入っています。(ちなみにベクターの通算ダウンロード数は既に3万件を突破!)32×32ドットのアイコンなので、OSXには物足りないかもしれないですが、けっこう気に入ってます。Macの人、ぜひお試し下さい。
https://www.vector.co.jp/soft/mac/amuse/se079356.html

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文具王 高畑正幸
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