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変体少女文字の研究

  • 2007-02-05 (月) 1:50
  • 書籍

書 名 変体少女文字の研究
推薦度 ☆☆
著 者 山根一眞
定 価 1000円(税抜)
発行日 1986/02/05
発行所 講談社
ハードカバー(中古)
文庫(中古)
ISBN4-06-202071-8
「変態」ではない。「変体」。
山根一眞氏の代表作のひとつ。改めて読み直した。
当時、マンガ文字などと呼ばれた丸文字は、日本語の横書き用の文字として道具・文化・教育、すべてが絡み合って女性によって必然的に生み出されたものだという研究論文。
文具と文具を取り巻く環境が、文字の形態や文章の変化において、重要な役割を担ってきたということも、山根氏独特の調査、分析によって明らかにされていく。たいていの文具論は、オトナの個人的コダワリ的なところで話が終わっていて、文具と文化について、きちんと考察されている研究って、本当に少ないんじゃないかと思う。特に、道具としての文房具の変化が、人々に与えた影響をここまで広範囲に調査し、考察したものは、とても貴重だ。
この研究は、20年も前のものだが、オトナが「不真面目な学生のくだらない流行」として理解しようとしない出来事の中に、文化にとって本質的なの変化を示す兆候が含まれている可能性を丹念に考察することの重要性は、今も変わらない。(この時はファンシー紙製品やシャープペンシルが、重要な役割を果たしたが、今、新しいデバイスとして登場したケータイメールやブログなどが文章に影響を与えているのは間違いないと思う。)
私は人の思考を表現するだけでなく思考にまで影響を及ぼす入出力デバイスとしての文房具と人との本質的な関わりに興味がある。その興味に対する考察の方法の一つとして、とても参考になる重要な論文。
☆が少ないのは、誰にでもお勧めはしないということ。ある種の興味がない人にとっては「どうでもいいことに対するめんどくさい考察」かもしれないが、興味がある人にとっては、20年経った今でも必須の資料である。

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