- 2011-10-07 (金) 20:00
- 雑貨
骨董市をウロウロしていると、なんだかよくわからないものもたくさん転がっていて、
特に、過去の道具類などを見ながら、
今となっては冗談みたいな創意工夫を想像するのも楽しいものです。
ということで、文具とは関係ないのに、
ついつい、いろんなものを手に取ってしまうわけです。
今回の製品は、「毛糸再生器」
この道具の目的は、毛糸を再生することなわけですが、
箱の中から出てきたのはこんな道具。
T字型で、下部はプラスチック(ベークライトかもしれません。)上部はブリキです。
説明書を見ると、たしかに、書かれているとおり、「御使用は非常に簡単」ですね。
要するに、やかんの口に取り付けて、ちぢれた毛糸に出てくる湯気を当ててもどし、
まっすぐにする、というものですね、
「半ゑりのちぢみも」というのは、和服の半襟のことですね。
このちぢみもなおせると。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E8%A1%BF
説明文には、
「ヤカンの口に本器を取付け注口の下まで水を入れ湯を沸かします
押さえ蓋を外し編みほどきの毛糸を蓋の溝の中に入れ蓋を締め
片方より引出しますと蒸気の中を通って
新らしい毛糸と同じようにふっくらと再生されます
半ゑり、ネクタイ等織物一切の湯のしは蓋を外したまま
蒸気の上を通す丈で縮みも皺もきれいに
伸び湯通しが出来ます」
とあります。
このブリキのカバーにある溝のような部分に毛糸を通すわけです。
なるほど。「御使用は非常に簡単です」のとおりです。
そこまでわかってこの箱のラベルを見ると、なるほど。
セーターから出てきたヨレヨレの毛糸が七輪に乗った
ヤカン(中には「ゆ」が入っている)の注ぎ口にセットされたこの毛糸再生器を通り、
ふっくらまっすぐになって出てきているのがわかります。
このラベルを見て最初に若干違和感があったのは、
「サンコー式毛糸再生器」のロゴの帯の左端が妖怪みたいに
気持ち悪い線で描かれていることでした。
これは、縮んでしまった半襟を表してるんですね。
んで、その半襟が再生器から立ち上る湯気に当たって、
右に行くときれいになっていると・・・
明らかに何か失敗しています。「毛糸再生器」なのに、
半襟の情報まで盛り込もうとして、全体としては、
左のおどろおどろしい感じの部分が全く意味不明です。
うちには、ほどく予定の毛糸もないし、
なにより、こういうタイプのやかんがないので、試して見ることは出来ませんが、
今でも、こんな道具を使ってるわけですから、
一定の効果は期待できたのではないでしょうか、
ただし、やかんで湯を沸かす際には、その下に炎があるわけで、
うっかりしてると、毛糸や半襟に引火する危険性があり、
細心の注意を払う必要があります。
この青と青緑の色づかいと、やかんの中にたまっている「ゆ」の文字に癒されます。
しかし、またひとつ、役に立たないモノが増えてしまった・・・・・
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コメント (Close):2
- けふこ 11-10-08 (土) 23:16
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こんばんは
これと同じタイプのものが家にあり、実際に使っているのを見たこともあります。
ほどいてちりちりになった毛糸がちゃんとまっすぐになる便利なものです。
以前、見ただけでは何だかわからないものを探してくるという仕事があったのですが、これを持っていったら見事に誰も使用方法がわかりませんでした。
箱や説明書は今回初めて見ましたが、おもしろいですね。
(言われてみれば、妖怪の顔に見える…)先の記事の、伊東屋の魚雷型ペンケース?も興味深く拝見しました。
あいにく資料を持っていませんが、金属回収令以前のものだろうとか、物から想像するのは楽しいです。 - b-labo_admin 11-10-10 (月) 14:05
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ありがとうございます。
そうですか、実際に使っていましたか!それにしても、「見ただけでは何だかわからないものを捜してくるという仕事」が気になります。そんな面白そうな仕事・・・!
あれこれ想像するのはタダですから、いろいろ考えるのはとても楽しいです。
コレクションは集めるだけなら、お金をたくさんだせばいろいろ買えるのかもしれませんが、
ちょっとしたモノでもせっかく入手したならしっかり楽しんだほうがお得ですね。